在宅介護、、とある観点から見る認知症 Q&A

認知症は心のトラブルです。心を覗けば95%のイライラは一瞬で消滅します。

自分ごと

【自分ごと】

 

数年前、私がシルバーマンションの訪問で
働いていたころのお話です。
私は資格を以前から保持はしていましたが、実際、
現場で働いた経験がなくホント、一からの
スタートでありました。

 

で、その職場は女性が多く、男性がいなかったため、
体重がそれなりにある、Wさん(女性)の主な担当に
なりました。
Wさんは要介護5、両足の麻痺があり、普段は
ベッドで過ごされている状況でありました。
そして、水頭症による失語があっため、
今考えるとご自身も大変なストレスが
あったことでしょう。。

 

そんな彼女を1年ほど担当していました。
徐々に訪問にも慣れ、言葉は発せなくとも、
彼女との心の距離も狭まり、
私に対しても少しは安心して
介助させていただくようになってきたころ、

彼女は肺炎になり2週間ほど入院をしてしまい
帰ってきたころには、食事も今までのきざみ食から
流動食、ゼリー食にまでなってしまい、食欲も徐々に
なくなってきておりました。
それでも何とか元気になってもらいたいと思い、
時間をかけ食事をしてもらっていました。
介助の仕方は正しかったかはわかりませんが、
気持ちだけは、そう、強かったことを覚えています。

 

1年間ほぼ毎日、担当していたので、やはり
Wさんが衰弱していく状況を見るのは私としては
とてもつらいものがありました。

そんな状況の中、
再度、Wさんは肺炎になってしまい、
二度とマンションへ帰ってくることは
ありませんでした。

何とも言えない身内とは違う苦しい感覚になったのを
今でもしっかり覚えています。
私としては介護職になり、1年目ということで
至らないところもあったと思いますが、
少しはWさんの晩年の生活の助けになることが
できたと思いたいところです。

そして、
この方や多くの方を介護させていただいた貴重な
経験が、表情、しぐさ、状況などからその人の感情、
根本的に求めているものを読み取り、それを
ポジティブな感情を通して相手に伝えていくことで
その人と心をつないでいく、といった今、私がやって
いることへつながっていったのではないかと思うこの頃です。